すずりの代名詞・端渓硯や名硯・歙州竜尾金星硯、幻の硯と言われる洮河(とう河)緑石硯なども掲載
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世界四大名硯のひとつとされ、中国甘粛省から採掘される硯(すずり)です。採掘期間が短く採掘場所が失われたことから「幻の硯」とされています。洮河緑石は鑑定の方法にも諸説があるようで、緑端渓(りょくたんけい)などが、誤って洮河緑石硯と紹介されていることも多いようです。
硯の代名詞ともなっている端渓硯ですが、ひと口に「端渓」と言えないほどに非常に多くの種類があります。その中でも、老坑と呼ばれる採掘場から産出したものや、唐代から清代にかけて採掘された「古端渓」などが珍重されています。また石紋や彫刻、色にも様々なものがあります。
端渓に並ぶ名硯と言われるものが、この歙州硯です。その中でも金暈(きんうん)と呼ばれる金色の石紋が散りばめられているものが、歙州竜尾金星硯です。離墨が良いため端渓よりも好んで使う書家も多いようです。
書聖・王羲之(おうぎし)の最高傑作とされる蘭亭序(らんていのじょ)が、硯の裏面に刻されています。蘭亭序全文を彫ったものと、序文のみのものなどがあるようです。硯全体に彫られた絵柄は、蘭亭序に記された曲水の宴を表しています。